「整形外科で踵落としを勧められたけど…」その効果と続けるコツを骨芽細胞から解説

かかとに手を当てる50代女性。整形外科で勧められた踵落とし運動について悩む様子

「整形外科の先生に、踵落としをするように言われたんですけど…なかなか続かなくて。本当に効くんでしょうか?」

サロンでも、こうしたお声をよくいただきます。先生に勧められたからにはやってみたい。でも、毎日続けるのは意外と難しく、「本当に効果があるのか」という疑問が、続けるモチベーションをさらに下げてしまうこともあります。

今回は、なぜ整形外科医が踵落としを勧めるのか、そのメカニズムを「骨芽細胞」の働きから解説しながら、続けるためのコツや、効果を支える栄養素についてもご紹介します。

目次

なぜ整形外科医は「踵落とし」を勧めるのか

骨密度ケアとして医療現場でも推奨される理由

踵落とし運動は、骨に物理的な刺激を与えることで骨を作る働きにアプローチできる運動として、骨密度が気になる方への指導の中でよく取り上げられます。特別な道具も広い場所も必要なく、自宅で気軽に取り入れられる手軽さも、勧められやすい理由の一つです。

「やった方がいい」と分かっていても続かない理由

効果があると分かっていても、地味な動きを毎日繰り返すのは案外しんどいものです。「これで本当に効いているのか分からない」という実感の乏しさも、継続を難しくする大きな要因です。

骨を作る「骨芽細胞」の働きとは

え、骨も生まれ変わっている?

骨は一度できあがったら一生そのまま、と思っていませんか?実は骨は皮膚と同じように、常に新陳代謝を繰り返しています。古い骨を壊す「破骨細胞」と、新しい骨を作る「骨芽細胞」が絶えず働き、なんと1年間で骨全体の20〜30%ほどが新しい骨に入れ替わっているといわれています。このバランスが崩れ、壊す働きが作る働きを上回ると、骨密度は徐々に下がっていきます。

骨芽細胞が活発に働くために必要な刺激

骨芽細胞は、骨に一定の「物理的な刺激」が加わることで活発に働くことが知られています。じっとしているだけでは、この刺激は得られません。

これを物語る分かりやすい例が、宇宙飛行士です。徹底した健康管理とトレーニングを受けたエリートである宇宙飛行士でも、無重力空間に長期滞在すると、骨への刺激がなくなることで、骨粗鬆症の患者さんの約10倍という速さで骨が弱くなってしまうそうです。1日2時間も運動しているにもかかわらず、です。「重力による刺激」がいかに骨にとって重要か、よく分かるエピソードではないでしょうか。

逆に言えば、地球上で暮らす私たちは、適度な負荷をかける動きを日常に取り入れることで、骨を作る働きをしっかり後押しできるということです。

踵落としの効果|「かかと」への刺激が骨に効く理由

踵に伝わる衝撃が骨芽細胞を刺激するメカニズム

踵落とし運動は、つま先立ちからかかとをトンと落とすシンプルな動きです。このとき、かかとから骨へ伝わる振動が、骨芽細胞への刺激になると考えられています。宇宙飛行士の例とは正反対に、地上にいる私たちは「かかとを落とす」というたった一つの動作で、骨に重力以上のインパクトを与えられるわけです。先生が勧めるのも、この「振動による刺激」が理由の一つです。

期待できる効果

骨への刺激に加えて、ふくらはぎの筋肉を使うことで血流が促されやすくなり、むくみやだるさが気になる方にも嬉しい効果が期待できます。

「続かない」を「続く」に変える3つのポイント

キッチンで踵落とし運動を行う50代女性。骨密度ケアのための踵を上げ下げするエクササイズ
かかとをトンと落とすだけ。骨芽細胞への刺激になる「踵落とし運動」

正しいやり方(回数・姿勢)

  1. 両足を肩幅に開いて立つ
  2. かかとをゆっくり上げる
  3. かかとをトンと落とす(10〜20回を目安に)

痛みがある場合の注意点

バランスを崩しやすい方は、椅子や壁に手を添えて行うと安心です。膝や足に痛みがある場合は無理をせず、回数を減らすか、一度中止してください。

忙しい毎日でも続けやすい工夫

「毎日きちんと時間を取って」と考えると、続けるのが負担になりがちです。歯磨きの間、洗い物をしている間など、すでにある生活の動作に「ついでに」組み込むことで、意識せずに継続しやすくなります。

運動の効果を支える栄養素|踵落としだけでは不十分な理由

踵落としで骨芽細胞を刺激しても、骨の材料が不足していては効果が半減してしまいます。

  • カルシウム:骨そのものを作る主な材料です。
  • ビタミンD:カルシウムの吸収を助け、効率よく骨へ届けます。
  • ビタミンK:吸収されたカルシウムを骨に定着させる働きを持ちます。
  • タンパク質:骨の土台となるコラーゲン繊維の材料になります。

「西高東低」の骨折マップ?

納豆・小魚・緑黄色野菜・牛乳など骨密度ケアに役立つ栄養素を含む食材の盛り合わせ
カルシウム・ビタミンD・ビタミンK・タンパク質。骨づくりを支える栄養素たち

少し意外な話ですが、日本では都道府県別に大腿骨の骨折発生率を比較すると、地域によって明らかな差があることが報告されています。その背景の一つとして指摘されているのが、納豆をよく食べる地域ほどビタミンKの摂取量が多く、骨折が少ない傾向にあるという調査結果です(あくまで関連が指摘されているもので、納豆だけで骨折を防げるという単純な話ではありません)。普段の食事に何を選ぶかが、何十年後かの骨の状態につながっているとしたら、ちょっと食卓の見方が変わってきませんか。

運動と栄養、どちらか一方だけでは効果が半減してしまいます。両方をセットで考えることが、骨密度ケアの基本です。

「一生、自分の足で」歩くために

介護をしているお母様の姿を見て、「自分も将来、誰かに支えられないと歩けなくなるのでは」と不安になることはありませんか。その不安は、決して大げさなものではなく、多くの方が同じように感じています。

今は仕事や家事、介護で自分のことが後回しになりがちかもしれません。けれど、そのいそがしさは一生続くわけではありません。今のうちに、未来の自分の足のために、できることから始めてみませんか。

おわりに|2ステップレッスンのご案内

「先生に言われた通りにできているか不安」「本当に効いているのか実感が持てない」という方は、一人で続けるよりも、専門家と一緒に取り組む方が安心です。

ダ・ヴィンチのあしの2ステップレッスンでは、お一人おひとりの足の状態に合わせて、無理なく続けられる「自分専用の足の取扱説明書」をご提案しています。

一人で頑張らなくて大丈夫です。あなたの忙しい毎日に寄り添う伴走者として、一緒に歩幅を合わせながらサポートさせていただきます。気になる方は、お気軽にご相談ください。

ドイツ式フットケアダ・ヴィンチのあし代表藤川由佳里

藤川ゆかり

熊本県熊本市のドイツ式フットケアサロン「ダ・ヴィンチのあし」代表、足と靴の専門家としてこれまでに4,000人以上の足の悩みに向き合い、施術を行ってきました。

足爪補正や角質ケア、歩行改善を通じて、痛みの根本改善をサポート。特に副爪や巻き爪、タコ・魚の目のケアに精通し、再発しにくい足づくりを提案しています。

また、最新のフットケア技術や歩行メカニズムについて学び続け、専門知識を活かした情報を発信中。「いつまでもどこまでもこの足で」歩み続けるあなたをサポートします

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