左の股関節だけ痛いのはなぜ?車の乗り降りで感じる違和感の正体

車から降りる際に左股関節に痛みを感じる50代女性のイメージ
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左の股関節だけ違和感がある…それ、よくあることなんです

パートの帰り道、スーパーの駐車場、週末の実家への移動。

車を降りようとしたとき、なんとなく左の太もも付け根がズキッとする。立ち上がりの最初の一歩がスムーズに出ない。歩き始めてしばらくすると落ち着くけれど、また次に乗り降りするたびに同じことが繰り返される。

「疲れているだけかな」「年のせいかな」と思いながら、何ヶ月もやり過ごしていませんか?

実は、左の股関節だけに違和感が出るのには、ちゃんとした理由があります。そしてその理由を知ることが、これからの「自分の足で歩き続ける」ための第一歩になります。

まずは知っておきたい|股関節痛の一般的な原因

股関節の構造を示す図。骨盤のくぼみ(臼蓋)に大腿骨頭がはまり込んだボールとソケットの仕組み

加齢と筋力低下が引き起こす関節への負担

股関節は、骨盤のくぼみに太ももの骨の先端(骨頭)がはまり込んだ「ボールとソケット」のような構造をしています。このソケットの部分を「臼蓋(きゅうがい)」といい、その間には軟骨があってクッションの役割を果たしています。

加齢とともにこの軟骨が少しずつすり減り、骨同士がこすれ合うことで炎症が起きる。これが「変形性股関節症」です。40〜50代の女性に最も多く見られ、立ち上がりや歩き始めの痛み、長時間の立ち仕事後の重だるさとして現れてきます。

初期のうちは「痛い日と楽な日」を繰り返すことが多く、楽な日が続くと「治った」と思いがちです。しかし痛みが軽くなっても、関節の損傷が回復したわけではありません。放置すると少しずつ進行していきます。

立ち仕事・片足重心が慢性的なダメージを蓄積させる

立ち仕事中に無意識に片足重心になっている女性。骨盤の左右バランスが崩れている状態

「いつも右肩にバッグをかけている」「立っているとき、気づいたら片方に体重が乗っている」

こうした日常の何気ない習慣が、骨盤の左右バランスを少しずつ崩していきます。左右どちらか一方に負担が偏ると、その側の股関節だけに炎症や痛みが現れやすくなります。

一日中立ち仕事をされている方は特に要注意です。疲れてくると無意識に片足重心になりやすく、それが毎日積み重なることで股関節へのダメージが蓄積されていきます。

実は「生まれつき」が関係しているかもしれない

日本人に多い「股関節のはまりがゆるい」状態とは

ここで、多くの方が知らない大切な話をさせてください。

股関節の痛みは、実は「生まれつきの体の特徴」が深く関係していることがあります。それが「臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)」という状態です。

わかりやすく言うと、股関節の「ソケット(受け皿)」が浅く、ボールをしっかり覆えていない状態のこと。ソケットが浅いぶん、体重を支える面積が狭くなり、特定の部分に負荷が集中しやすくなります。その結果、軟骨がすり減りやすく、変形性股関節症へと進みやすくなるのです。

日本人女性の2〜7%がこの状態にあるといわれており、じつはとても身近な体質です。50代・60代になって初めてこの事実を知る方も少なくありません。

実はその降り方が原因だった|「右足から先に降りる」クセが股関節を痛める

車の乗り降りで股関節にかかる「ひねり」の負担とは

ここで、ひとつ確認してみてください。

あなたは車を降りるとき、どちらの足から先に出していますか?

多くの方は無意識に「右足から先に地面へ」という降り方をしています。右足を出した後、左足だけが車内に残った状態で一度止まり、そこから左足を引き出す。この何気ない動作が、左の股関節にじわじわとダメージを与えている可能性があります。

車の乗り降りは、実は体にとってかなり複雑な動作です。座った状態から体をひねり、片足ずつ移動させるこの動きには、本来「体幹の回旋→骨盤の動き→股関節・膝・足首の連動」という3つの動きがなめらかに組み合わさる必要があります。

ところが、長時間の立ち仕事や疲労により体幹や骨盤の動きが硬くなると、「股関節だけ」でひねる動作になりがちです。

右足から先に出すクセが、じわじわとダメージを蓄積させる

右足を先に出すとき、左の股関節は座ったまま体重を支え続けながら、さらにひねりの力を受けます。この「支える+ひねる」という複合的な負荷が、左の股関節にだけ集中してかかるのです。

一度の乗り降りでは大きな問題にならなくても、毎日の通勤・買い物・実家への移動で何度も繰り返されれば、その蓄積は無視できません。

「なぜか左だけ痛い」という方の多くに、この「右足から先に降りる」というクセが見られます。降り方を少し変えるだけで、股関節への負担は大きく変わります。

生まれつきだからといって、諦めないでください|あなたの体に合った3つのセルフケア

「臼蓋形成不全があります」と医師に言われた方、あるいは「もしかして自分もそうかも」と感じている方へ。

生まれつきの体の特徴は変えられませんが、その特徴を「知っていること」と「知らないこと」では、これからの歩み方がまったく変わります。自分の体の特性を理解して丁寧に使えば、悪化を防ぐことは十分に可能です。

① 車の降り方を少し変えてみる

右足から先に車を降りる動作により左股関節にひねりの負担がかかることを示す図解

まず、車を降りるときは「ご令嬢」になりきってください。両足いっしょに地面に下ろしてみてください。「右足だけ先に出す」ことをやめるだけで、左股関節へのひねりの負担がぐっと減ります。慣れるまで少し時間がかかりますが、毎日の積み重ねが変化につながります。

② 片足重心グセに気づいて整える

立ち仕事の合間に、ふと自分の体重のかかり方を確認してみてください。気づいたら両足均等に整える。それだけで骨盤・股関節への慢性的な偏りが少しずつ変わっていきます。「気づいて整える」この小さな習慣が、長い目で見ると大きな差になります。

③ 「足裏なでなで」で「土台」から変える

夜、お風呂上がりの2分。足の裏を手のひらで撫でてあげてください。力はいりません。

足裏の感覚が鋭くなり、しっかり地面を蹴り出せるようになると、歩き方のバランスが整い、骨盤→股関節へとプラスの影響が伝わっていきます。外反母趾のある方は特に、足裏の感覚を取り戻すことが股関節ケアにも直結します。

自分の体の特徴を知れば、悪化を防ぐことは難しくありません

臼蓋形成不全があっても、適切に体を使えば長く自分の足で歩き続けることができます。大切なのは「諦めること」ではなく「知ること」です。

症状を繰り返してしまう「本当の理由」に気づいていますか

うおのめ、外反母趾、そして股関節の違和感。これらは「別々の問題」ではありません。

足裏・足指の機能低下→歩き方の変化→骨盤の歪み→股関節への負担、というひとつながりの流れの中にあります。表面の症状だけをケアしても、根本の流れが変わらなければ、また同じ場所に問題が戻ってきます。

それが「いたちごっこ」になってしまう正体です。

股関節の違和感も同じです。痛みが落ち着いたからといって「治った」と思って同じ生活習慣を続けていると、じわじわと悪化が進んでいきます。「足裏から全身を整える」という視点で体全体を見ることが、本当の意味での改善につながります。

一生、自分の足で歩き続けるために。今が大切な分岐点です

お母様のそばで介護をしながら、ふと思うことはありませんか。

「私も10年後、歩くのに誰かの手を借りることになるのかな」と。

その不安は、決して大げさではありません。変形性股関節症は早い段階でケアを始めれば進行を大きく遅らせることができます。逆に、「まだそれほど痛くないから」と後回しにし続けることが、将来の選択肢を狭めることにもつながります。

今感じている「左股関節の小さな違和感」は、あなたの体が発してくれているメッセージです。忙しい毎日の中でも、その声にそっと耳を傾けてみてください。

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車を降りるたびに感じる「あの左の違和感」を、「そういえば最近なかった」に変えていきましょう。

このブログは一般的な健康情報の提供を目的としたものです。股関節の痛みが強い場合や日常生活に支障がある場合は、まず整形外科への受診をおすすめします。

ドイツ式フットケアダ・ヴィンチのあし代表藤川由佳里

藤川ゆかり

熊本県熊本市のドイツ式フットケアサロン「ダ・ヴィンチのあし」代表、足と靴の専門家としてこれまでに3,000人以上の足の悩みに向き合い、施術を行ってきました。

足爪補正や角質ケア、歩行改善を通じて、痛みの根本改善をサポート。特に副爪や巻き爪、タコ・魚の目のケアに精通し、再発しにくい足づくりを提案しています。

また、最新のフットケア技術や歩行メカニズムについて学び続け、専門知識を活かした情報を発信中。「いつまでもどこまでもこの足で」歩み続けるあなたをサポートします

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